この日、数日降り続いた雨が少し残り、山には霧が出ていました。
静岡市の藁科(わらしな)川を上流へとさかのぼっていくと、
葵区・富沢(とんざわ)という地区へ辿り着きます。
アスファルトで舗装された道路から
車一台が入るのがやっとの幅の
未舗装の土の農道へ入ると、
奥にトタンで簡単に囲われた
一軒の小屋があらわれました。
まだ雨露の残る草をかき分けて
足場の悪さに足を滑らせながら
小屋の入り口へ向かいます。
地面とトタンの隙間から身を屈めて
小屋の中にもぐって入ると
暗闇のなかに浮かぶいくつもの影…
わずかに差し込む外からの光を
頼りに細い目をさらに細めます。
………おぉ~!!!! 驚きました!
みなさん、コレは何だか判りますか?
そうです。「古材」です。
この日は、この秋から家づくりをご一緒させていただくYさんと設計担当者、
そして私の3人でYさんの知り合いの方が所有する古材を下見に来たのです。
この古材をYさんのお宅に併設する店舗に使う予定です。
この古材は、Yさんの知り合いの方がご自身の店舗に使うために
山梨や長野から買い付けてこられたもの。その残りがこの小屋に置いてあったのです。
残りとはいっても、
古材はとても太くて長いもの
(なんと6m以上!)も有ります。
保存状態は、かなり良いものから
そうでないものまでマチマチですが、
使えそうなものがゴロゴロしています。
しっかりと通気が出来るように、保存してあったので、
雨があたったり、湿気が抜けきらない小屋の隅の方
を除けば、充分に使うことが出来るものが多くあります。
古材は現在、山梨や岐阜・高山などに市場があり1本数万円で売られています。
「使いたい」という要望を持っていらっしゃる方も多いのですが、
その「古材を見に行く為の往復の交通費」・「市場からの運搬費」を考えると
実際にはなかなか気軽に手を出せるものではなくなってしまっています。
Yさんの店舗で使った残りは、私たちの工務店でいただく予定です。
現在、私たちとご一緒に家づくりを考えている方で、「古材を使いたいな」と考えている方は
ご連絡いただければ、数本ならばお譲りすることが出来るかもしれません。
これらの古材は構造の梁として使うには難しいですが、吹抜けの空間に架けて使ったり、
板材にしてテーブルの天板にしたり、玄関や居間の飾り棚にしたり、花器を置く床板にしたり…
と、古材の風合いを活かした楽しい使い方はいろいろ考えられますよね。
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