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取り壊しの方針 耐震不足のマンション
asahi.com 2007年07月11日
◆分譲業者、買い戻しへ 静岡
月岡彰構造研究所(静岡市駿河区)が構造設計を担当した静岡市駿河区の10階建てマンションで耐震強度不足が発覚した問題で、このマンションを分譲したTOKAI(ザ・トーカイ、静岡市葵区)は10日、市に対し、耐震補強工事を断念し、マンションを取り壊す是正方針の報告書を提出した。住民には販売価格で買い戻しに応じる方針。
同マンションは建築基準法の定める基準の1に対し、最も弱い部分で0・68だった。耐震補強工事に際し、住民からは「居住スペースが狭くなることは避けてほしい」などの要望が出ていた。
そこでTOKAIでは、建物の外側に新たに壁や柱を設置する「外殻フレーム工法」による工事を検討。しかし、詳細に調べた結果、この工法でも、間取りに変更が出たり、居住空間の柱を太くしたりする必要があり、以前の居住スペースが確保できなくなることがわかった。
このため、TOKAIは今月6日、住民説明会で補強工事の断念と買い取り方針を提示。今月中をめどに住民の意思を確認していくという。
このマンションの元請けの設計事務所はサン設計事務所(静岡市駿河区)で、構造設計を月岡彰構造研究所が担当。TOKAIが分譲したマンションのうち、月岡彰構造研究所とサン設計事務所の両方、あるいはどちらかが設計にかかわったマンションは計5件ある。
TOKAIでは、調査の結果、問題のマンション以外の4件すべてで建築基準法上の耐震強度を満たしていることを確認したという。
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